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SPECIAL CONTRIBUTION/特別寄稿 Former
Prime Minister Toshiki Kaifu |
元内閣総理大臣
海部俊樹
私が国会議員に当選した翌年、1963年早稲田大学でロバート・ケネディー司法長官の講演があり、有名になった『早稲田大学の演壇腰かけ事件』がおこりました。私「演壇に腰を掛けるのは無作法だ」。司法長官「君もアメリカに来てみろ、アメリカでは普通のことなのだ」。後日米国広報文化交流庁から『人物交流計画』の招待状を受けました。私にとって最初のアメリカ訪問の旅は、見るもの、触れるもの新鮮でアメリカはとてつもなく広く、大きな国だという印象からはじまり、予想していた通りやはり人々は陽気で、善意に満ちていると感じました。戦った相手国の復興に無償援助を続けた奥深い国の姿かと認識を新たにしたことでした。私はアメリカの指導者に直接会って肉声を聞き理解を深めたかったので、ケネディー大統領、早稲田騒動以来の司法長官にも会いたい、末弟のエドワード氏が上院予備選挙中らしいから、その選挙事務所も訪ねたいと申し出ました。次は私が名前を知っている街、たとえばニューヨーク、ワシントンは勿論のこと、シカゴ、フィラデルフィア、ダラス、セントルイスなどを訪ねたい。大学も訪ねたい。グランドキャニオンもワイキキの浜辺にも、あるいは地方の名前も知られていない小さな街にも旅行してみたいと希望し、その大半がかなえられました。
ケネディー大統領との会見は、随分長い間待った後に大統領は執務室の隣の部屋で我々と一人一人握手をし、非常に慌ただしい面談で、質問しようにも時間が無いということで、いささかがっかりしたのですが、後になってそのときはキューバ問題に関し、国家安全保障会議が招集されていたと知りました。アメリカの田舎を見たいという希望でテキサスに行き、チルドレスという街を訪ねた時は大型長距離バスの旅も経験しました。農家を訪問した時小型飛行機から見た農場の大きさには驚きました。
一点気になったことは、黒人の生活しているところも見物したいと言いましたときに「黒人問題については現状を見ても建設的でない。彼らはいろいろな経緯から教育を受けていないからいろいろ社会的な問題も起こっている。黒人問題の解決には教育が一番必要だ」と言われたことを覚えています。後に私が内閣総理大臣のとき、国連本部でおこなった子供のためのサミットでの「識字率を高めるために日本はいろいろ協力する」という約束と演説には、このときの印象が強く残っていたのです。帰国の時贈呈を受けた本とレコード、ホームステーで出会った人々とのふれあい、後に大好物となった手料理のパンケーキなど思い出深いものとなりました。私は人物交流計画で招かれ、人々の心の豊かさと民主主義に触れ、たいへん大きな刺激と教訓を受けたことを感謝しています。
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RECENT RETURNEE REPORT/最近の渡米者報告 「アメリカの光と影」 Seiji Teramoto, Chunichi Shimbun |
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「アメリカの光と影」
中日新聞編集局経済部記者
寺本政司
「フォーエバー(永遠に)」。ワシントン州シアトル市。夕日に映えるシアトル港を一望できるカクテルバーで、地元の大学で教鞭を執る老教授が言った言葉が今も頭から離れない。「アメリカの好景気はいつまで続くのか」と質問した時の答えだ。
私はアメリカ広報文化交流局(USIA)の招きで、1997年3月、4週間の日程でアメリカを訪問させてもらった。訪米に際し、自分が設けたテーマは「アメリカ経済の再生」。1980年代後半に不況のどん底にあえいでいたアメリカ経済がいかにして立ち直り、今や「パックス・アメリカーナ(アメリカの平和)」を謳歌する好況を維持し続けているのか。経済部記者という自分の職業柄、現地でその秘密を探ってみたいという好奇心にとらわれたのはもちろんだが、現在、構造不況の病魔に苦しむ日本経済の処方箋が少しでもみつからないか、と考えたからだ。
ワシントンの政府高官、デトロイトの三大自動車メーカー(ビッグスリー)幹部、シリコンバレーの起業家、先のシアトルの老教授...。行く先々で会った人たちの言葉は自信に満ちあふれていた。大幅な規制緩和と税制改革がもたらした市場重視の経済システムを賛美し、それがもたらす明るい未来を語る。アメリカ経済が、もはや景気循環に左右されるものではないとする「ニューエコノミー論」が経済学者の間で台頭しているのも、そうした空気を反映してのことだ。
しかし、市場経済は強い者が生き残り、弱い者が去るという非情の世界でもある。ワシントンやデトロイトのダウンタウンにたむろするホームレス、大企業をレイオフ(解雇)され、レストランのウェイターで生計を立てる元ホワイトカラー。繁栄の影で、貧富の格差という新たな現実も目にした。また、これは最近の事ではあるが、クリントン大統領の支持率がセクハラ疑惑が浮上しているにも関わらず、経済が好調との理由で、依然として高水準にあるのは、倫理や家族主義を重んじる古き良きアメリカ社会が”拝金主義”によって変質しているのではないか、と考えさせられてしまう。
今、日本はアメリカに倣い、ビッグバン(金融制度改革)をはじめとして、市場重視の経済システムへの転換を急ごうとしている。”一億総中流社会”をモットーとしてきた日本に、果たして競争が根付くのか。社会に歪みが生じないのか。アメリカでの体験を生かし、しっかりとウォッチしていこうと思っている。
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East Asia and Pacific Division |
在ワシントン広報文化交流庁
インターナショナル・ビジター・プログラム
東アジア・太平洋地域担当
ジョン・アンデレグ
「一枚の絵は千語の価値がある」という中国の諺があります。インターナショナル・ビジター経験者として、皆様は「自分で絵を見る」ことの重要性を証明することができるでしょうが、それがこのプログラムの本質なのです。職業上の同僚やその他のアメリカ人に直接会うことにより、無味乾燥な事実が血の通ったものになるのです。また、アメリカ人の立場からいえば、皆様に会うことにより、日本への理解を大いに深めることになったのです。
第二次世界大戦終了以来、日本からインターナショナル・ビジターが訪米されています。プログラムは年月と共に変化してきましたが、大部分の方は報道、大学、政界、政府の中堅層のかたで、また、今日では非政府機関からの参加者も増えています。IVプログラムでは、経験者は全員ご存じのように、自分と同じ職業の人物に会うすばらしい機会があります。また、今日では、電子メールを使って帰国後も連絡を取り合うことがずっと簡単になりました。
今年、私達は、重要な相互利益のテーマに重点を置いています。環境問題の位置付けはきわめて高く、日本から政府機関、民間・NPOのビジターをお迎えしています。最近日本で開催された国際環境会議の影響もあって、世界温暖化の問題は高い関心を集めました。
また、日米は通商・貿易問題では非常に緊密な関係を持っていますので、この二つの問題は双方に利益をもたらすという観点から重要です。通商・防衛に関しては、政府、大学、報道機関からビジターをお迎えしています。世界の経済図は、この数ヶ月間に東南アジアや韓国で起こったように、時には迅速に変化します。日米の経済政策立案者にそのような変化は何を意味するのでしょうか。両国の政策立案者が建設的解決を見出そうとするので、今後数ヶ月は、この問題が私達の頭を占める問題となるでしょう。
防衛面では、世界の非常に多くの地域で発生してきているような「新世界無秩序」を政策立案者は分析しようとしています。このような、新しい問題にどのように対処すればよいのでしょうか。私たちに、そのような地域の外交・平和維持活動を援助する責任があるのでしょうか。これからの数ヶ月、または数年にわたって、ビジターがアメリカ人と意見交流する問題のいくつかがこの話題です。
今世紀ももうすぐ終わろうとしていますが、このプログラムが、過去50年間、日本人とアメリカ人が相互理解を深める上で寄与してきたことを願っています。多少なりとも成功してきたのであれば、努力した価値があったと信じています。
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MESSAGE FROM NAGOYA AMERICAN CENTER DIRECTOR Jeffrey M. Jamison |
名古屋アメリカン・センター館長あいさつ
ジェフリー・ジェイムソン
『International ReVisitor』ニュースレター創刊号を発行することができ、大変うれしく思っております。タイトルが示すように、この出版物を通して皆様がインターナショナル・ビジター(IV)の経験を「追体験」され、アメリカとのつながりを新しくされることができればと願っています。このニュースレターでは、目的を達成するために幾つかの方法を用います。つまり、IVプログラム参加者にご自身の体験について書いていただいたり、他の方の経験を読んでいただく機会を作ること、参加者の現在の活動についてお知らせすること、名古屋アメリカン・センターと在日米国広報文化交流局の活動についてお知らせすることです。
最近、日本におけるIVプログラムを担当するアメリカ大使館広報文化交流局文化事業部が、1986年と1991年のIV参加者についての調査を行いました。「ワシントンとニューヨークに基づいたアメリカ観は不適当であることに気づき、アメリカ全体を広い視野で見ることができるようになりました」、「アメリカの現実と、以前テレビで得た知識の違いに愕然としました」などという感想は、相互理解を深める上でのIVプログラムの効果を証明するものです。私自身、2年間日本に住んだことにより学んだ点について同じことを申し上げることができます。
ある過去の参加者の方が「すべての参加者が集まり、アメリカについて語り合うことができれば興味深いことでしょう」と、コメントしておられました。このニュースレターが活字でその様なディスカッションの場を提供でき、将来実際に交流する機会をもつ可能性も含むものとなるよう期待しております。皆様の日米関係へのご尽力をご支援するために、名古屋アメリカン・センターがお役に立てることがございましたら、ぜひともお知らせくださいますようお願い申し上げます。
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UPDATES FROM NAGOYA AMERICAN CENTER STAFF 名古屋・アメリカン・センターの最近の活動 |
アメリカン・センターの経済分野での企画事業では、規制緩和、金融制度改革、地方分権、地域経済発展と起業家精神育成をテーマとした講演会等を関連の政府機関や民間の経済・国際交流団体との協力で精力的に開催してきました。
昨年の東海北陸経済セミナーでは『日本の金融制度改革』を主題とし、国際金融の最前線での豊富な経験と新進気鋭な日本経済の評論家ターガート・マーフィー等を講師として招へいし、金融改革を通しての日本経済活性化への貴重な提言をお聞きしました。また規制緩和に関連し最近の日本国内の関心に応えるために専門家のウォーリン教授を招き岐阜県議会で米国の連邦・地方政治と地方分権が経済に果たす役割についての講演会も開催しました。3月11日には『資本主義の冒険:日米における起業家の経験』をテーマとしたパネル・ディスカッションを開催し日米4名の起業家を招き、日米の起業風土、日米起業家の創業精神や、ベンチャー・キャピタリスト育成や大学での起業家育成講座等幅広いテーマについて有意義な意見交流を企画しました。関連事業として4月8日、シリコンバレー共同ベンチャー事業の生みの親の一人であるミラーを招いてシリコンバレーの開発を地方経済開発のモデル・プロジェクトとして、米国の企業、政府、教育・報道機関や市民団体の協力体制のあるべき姿について話していただきました。
副館長服部
昨年より、「情報公開」と「市民社会(civil society)」がアメリカン・センター企画事業のテーマとして新たに加わりました。この2つのテーマは現代アメリカ社会を理解する上で不可欠な特徴であると同時に、日本でも関心が急速に高まっている分野です。情報自由法に代表される米国における情報公開を紹介することが日本社会の各方面で情報公開・透明化を推進する一助になれば、日本人にとって有益な変化をもたらすと共に、日米間の問題点の一部も解決されると思われますので、今後もアメリカの情報公開制度について講演会を開催します。また、市民主体の社会の実現を目指すNPO等の市民活動も日本では近年大変活発になっており、アメリカのNPOのあり方、影響力、法人格の取得・税制優遇措置などに対しる関心が強いので、充実した企画事業を開催したいと思っております。
アメリカ社会についての講演会・セミナーも従来どおり開催を予定しており、恒例のアメリカ研究セミナーでは市民社会を中心テーマとして、政治、経済、NGOなど現在のアメリカ社会を多面的に検討するものを開催する予定です。
企画担当藤原
アメリカンセンター・レファレンス資料室では下記の特徴のあるサービスをしています。
(1)レファレンス・サービス
1993年10月以来、同時的な情報提供が出来るようレファレンス業務を一層強化いたしました。皆様からの幅広いご質問にお答えすべくレファレンス担当者の研修もくり返し行われてまいりました。今では最新技術をフルに活用し、電子出版による雑誌記事の検索、12種類以上のデータベース社と契約し、オンラインによる緊急な検索にも対応出来るよう体制を整えています。
(2)新着資料をご案内する「アウトリーチ・サービス」
日頃お忙しくて来館できない有識者の皆様を対象に「新着資料案内」をしています。これは、皆様のご関心のテーマとマッチする資料が入り次第お知らせをするサービスです。ご希望の方には、記事や論文をコピーして郵送するサービスもしています。詳しい内容はレファレンス・サービスにご連絡下さい。(Tel: 052-581-8642 Fax: 052-561-7215)
尚、1000以上の定期刊行物に加え、1998年から、NPO/ NGOの運営や問題点を取り扱った雑誌や地方自治体の抱える問題を取り上げた専門誌などが加わりました。日頃、各界で活躍されている皆様にお役に立つ様、適確な資料を迅速に提供できるよう心掛けていますので、是非、お気軽にご利用戴きます様、ご案内申し上げます。
レファレンス・サービス担当 渡辺
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名古屋アメリカン・センターのハイライト 名古屋国際センター、3月11日 |
名古屋アメリカン・センターは当地方の実業界の専門家や報道人から、米国におけるベンチャー企業やハイテク起業家精神についての情報を提供して欲しいとのご要望にお答えするのを最優先事業活動としてきました。また、この関連テーマの視察を主目的として、中日新聞経済部の寺本政司記者や他の当地域からの人々を米国政府のインターナショナル・ビジター・プログラムで米国に派遣致しました。名古屋アメリカン・センターは3月11日、「資本主義の冒険:日米における起業家の経験」というテーマでのプログラムを開催し、その分野での専門的知識を名古屋地区参加者に提供しました。
このパネル・ディスカッションでは、武内英三中小企業金融公庫名古屋支店長(同公庫本店考査部部長に3月末に転勤)とジェフリー・ジェイムソン名古屋アメリカン・センター館長が司会役を務め、現在日本で起業家として活躍中の4名(米国人と日本人各2名)の方々にパネリストとして参加して頂き、日本での企業家としての成功の必須条件について各自の経験を基に話していただきました。参加されたパネリストは数納幸子(株)医学生物学研究所社長、山田納生房(株)モック代表取締役、ロバート・ローチ(株)オークローンマーケティング社長兼名古屋米国ビジネス協会会長(ABCN),ブラドレイ・バーツインターネット・アクセス・センター(株)社長(東京)でした。この4名のパネリストは起業の成功のための必要条件として、個人的な経験を基に次の要因を挙げられました:
...会社の将来への明確な目標と見通しを立てること、
...企業活動を選ぶのに個人的な自由を行使すること、
...新しい機会を見分けたり、それをつかんだりするのに柔軟性をもつこと、
...失敗を恐れることなく、それを今後の実習的経験として活用すること。
また、組織的面から、日本におけるベンチャー・ビジネス発展を奨励するために次のような
変化が必要であると力説されました。そして、そのあるものは米国からの成功例から学んだものもあります。
...現存の製品やサービスに限定せず、今後発展のある経営理念をもった企業に投資した真の意味のベンチャー・キャピタル投資機関を育成すること、
...ベンチャー企業や事業を始める人(スタートアップ)に報いるための特別税制の創設、
...日本の画一的な教育制度を改善し、各個人の独創力を育てること、
...日本のインターネットにたいする制限を緩和し、それをより活発な商活動への手段とすること、
このプログラムの詳細に関しては、名古屋アメリカン・センターのホームページ欄(4ー5頁)を参照下さい。また、当日のパネル・ディスカッションをビデオで収録しましたので(英日両語で)、ご利用になりたい方には無料で関係の研究団体や大学の講座の参考資料として貸し出します。
今後、名古屋アメリカン・センターは中部地域のベンチャー・ビジネスを基盤としたより開かれた経済環境を奨励するために、この分野での企画事業活動に、より力を入れたいと思います。
このために米国における地方並びに地域経済活性化に関する講演会活動をする所存ですので、これらのプログラムに参加御希望の場合、またはこのテーマについての企画立案にご協力いただける場合は、是非とも当方にご連絡下さいますようご支援の程お願い致します。